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-大好きなことと腹立たしきことを発散すべくつぶやくブログ-


by chatttenoire
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「エフゲニー・オネーギン」(テレビ放送にて)

 NHK教育テレビの「芸術劇場」という番組で、今年4月に「東京オペラの森2008」中に上演された「エフゲニー・オネーギン」を見ました。
 原作本の方は高校時代、ロシア文学に傾倒していた頃に読み、好きな本の一つでした。チャイコフスキーのこの作品は、アリア集のようなものかなにかで決闘前の(どちらの男性の歌か覚えていなかったのですが、オネーギンの友人レンスキーが歌う歌)「青春は遠く過ぎ去り」を聞き、こちらも好きでした。なので、このオペラはいつか見てみたいオペラの一つなのですが、この番組も放送されることを知ってからかなり楽しみにしていました。(この作品、バレエもあるそうで、想像がつきませんが、だからこそ見てみたいです。)私はテレビで放送されるぺらを最後まで見れたことがなかったのですが(先日も「フィガロの結婚」を見ようとして途中で挫折)、途切れ途切れではありましたが、最後まで無事、見ることができました。
 感想は・・・この公演の演出のせいなのか、それともオペラ自体の問題なのか、ありふれたメロドラマに成り下がっているかなあ・・・と。原作本の記憶はあんまりないですし、なにせ読んだのが随分若いときなので、読み違えている部分もたくさんあると思いますが、タチアーナにはもっともっと毅然とした美しさがあり、もっと深い作品だったように思います。ロシアではこの作品とこの作品の作者、プーシキンは誰でも知っている基本的な文学作品、作家のようなので、もしかするとオネーギンというキャラクターについては何の説明もいらない、ということなのかもしれませんが、このオペラだけ見たら、オネーギンは単に悪戯な男、女にだらしない男というだけに見えるかもしれない。オネーギンという人物の説明が足りないように感じました。とはいえ、私がこの原作が好きだったのは多分多くの人と同じだと思うのですが、若いときはちょっとイケテない女の子がある男性に振られる、でも大人になって美しく豪華な女性になってその男性に言い寄られ・・・そしてその男性をこっぴどく振る!そんなみにくいあひるの子的ストーリー展開が快感だから、なのです。もっともっと毅然と美しく振ってほしいところが、この映像ではやや粘着質だったのが気に入らなかったのですが、この基本的展開はやっぱり好きなので、最後まで楽しく見ることができました。音楽的にはややメロすぎるかなあと思うこともありますが、美しいメロディー、そしてやはり「我が青春は遠く過ぎ去り」は良かった。第一幕の始まりが異様に暗いメロディーで、そのモチーフが第一幕を通して使われているところは、ストーリー的には最初は暗いわけじゃないのに?オネーギンの心の闇をあらわしているのかな?とか色々思いました。小説(詩のような形のものだった記憶あり)を読み直さなければ!オリガの記憶もないのです。オリガ、その後どうなったんでしょう。主要な歌手陣4人のビジュアルはタチアーナ以外はまるで恐ろしくイケテなかったー。タチアーナが結婚した伯爵(公爵?)が一番良かった。それから第3幕のタチアーナの衣装はくすんだ黄金色と黒よりも第一、二幕同様、青を基調にした衣装の方が良かったんじゃないかなー?と、細かい感想。
 それにしても、テレビ放送のオペラも結構楽しいものです。次はBS-2で放送される「魔笛」に挑戦(?)しようと思います。
by chatttenoire | 2008-07-28 01:02 | オペラなど | Comments(0)