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-大好きなことと腹立たしきことを発散すべくつぶやくブログ-


by chatttenoire
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「雨のシンフォニー」

 中国ドラマ「雨のシンフォニー」を見終えました。陳坤(チェン・クン)さん出演作ドラマを見るのはこれで4作目。主演作ドラマで日本の中で見られるものはもう無さそうなのが残念~。
 このドラマ、実は数年前に1話目を見て、挫折したことアリ。「華の家族」のおぼっちゃん役を見た後にこのドラマを見て、落差の大きい貧乏な彼の姿が受け付けられなかったのか、もしくは最初彼とラブラブ状態で登場する紫儀がかわいくなかったからか、今回見直してみると1話の半分も見ていない。もう本当にこの二人のラブシーンでばっさり切ってしまっていたようでした。もしご覧になることがあれば、最初の10分20分は我慢をして(そもそもあの古臭い最初のオープニング曲で挫折しそうですね。)、もう少しだけ先を見てみましょう。バラエティー豊かな登場人物がたくさん登場しはじめ楽しくなってきます。そしててっきりヒロインだと思いこんだ紫儀はヒロインの一人だということに気づいて安心。私は1話目を見終えた時点でかなりはまっていました。バラエティー豊かというのは要するにお金持ちたちで、やっぱり貧しいだけじゃ目が寂しい。お金持ちの素敵な衣装や素敵なお家が登場しますし、貧乏な人たちとの間に葛藤も生まれる。お金持ちというだけではなく極道の世界も盛り込まれ、ちょっと盛られすぎ?とも思いましたが、あれよあれよとラストまで巻き込まれていきます。
 私はドラマを見てはまってしまうとついつい検索してしまうタチなんですが、このドラマや「さよならバンクーバー」で検索してもまずヒットが少ないということ、そしてこのドラマでは”衝撃のラスト”なる解説や感想が多かったのですがその内容については書いていないものばかり。そのおかげでこの二つの作品のラストを知ることなくドラマを見終えることができました。このドラマを愛する先輩方に敬意を表しまして、私は文字反転(できず薄い色)で続きを書きます~。
 衝撃のラストって何だろう?と思いながら、たくさん人が〇〇のかなー?というのは薄々思っていましたが、心雨のラストは全く想像していませんでした。見終えてなるほど~~。しかし衝撃ではなくて・・・なんだか苦かった。この苦さが人生だなあと思うのですがひたすら苦い。このドラマ、設定や展開が幼稚に、またあり得ないこと、素っ頓狂なことのようにも思えるけれども、なんか、人生だなあ、と感じさせられます。なんとなく大きい残酷さが感じられるのは中国という国の大きさか?韓国はもっともっと心の奥底、細かいところを突っ込んで突っ込んで描かれるのですが、なんと言ったらいいのか、全く違ったテイストに心地よさを感じます。しかし苦い。
 しかし、私にとっての衝撃はラストではなく、むしろラスト3~4話辺りでした。衝撃の中心は英奇様。途中までは美しく素敵な貴公子だったのですが・・・紫儀を探して子坤と訪れたエピソードで、結婚式に遅れたくない子坤が彼を探してやっと見つけたと思ったら・・・酔っぱらってた!あの場面から安琪に突然言い寄り、ふられ(安琪ブラボー!)、麗君の元へ戻る、この節操無い展開!あきれるを超えてホラー!ホラーでした。怖い~~。半分くらいまでは英奇役のルーイーさんなる人のカッコよさに結構くらくらしていた私。しかし、竹林辺りからはまたもやすっかりチェン・クンという人の魅力の海で溺れてしまいました。チェン・クンさん、このドラマは確かデビュー作でしたっけ?この作品では最初の数話よりもラストに向けてグイグイと魅力全開になっていると思います。結婚式に遅れる場面ではもうすっかりチェン・クン中心で見ていたせいか、心臓ばくばくでした。キー!英奇めー!紫儀と結婚して麗君とのあれこれ話も十分恐ろしく、それでも怖さ半分面白さ半分だったのですが・・・。紫儀が「あなたを愛したことがなかった」という衝撃の手紙を残して隠れてしまった場面は紫儀という人物をあっぱれと思い・・・隠れていたお父さんの田舎で彼をきっぱり振るシーンも、素敵でしたが、苦い。苦い。そこから最悪の失態劇を演じる英奇様。100年の恋も冷めます。しかし決定的な失態にはならずに最後もカッコよく教会で結婚して、こんなふらふらしていたら身を持ち崩してお家崩壊だとばかり思っていたら、お金持ち生活はしっかり維持されているようで、お金持ちってそういうものなのよねえ、とやっぱり人生を感じます。そしてお金持ちには愛なんてものはわからないんだよねえ、と。
 しかしちょっと思いめぐらせるとこのお話はそれぞれの父が子供を思ってあれこれ計ったことが全て裏目に出てしまっている。紫儀の父は欲張りすぎたんですよね。しかしその裏には自らの妻との結婚に関する因縁があったからなんですが、紫儀はむしろお金持ちとは釣り合わない、とずっと思って見ていましたがやはり案の定。時計屋さんなんだから修理がうまい人と結婚するのが一番に決まってるじゃない?英奇の父も結婚を押しつけすぎたんですよね。それによって英奇も麗君も突っ走ってしまった節がある。そして心雨の父。極道な男なのに娘にだけはもうめろめろ。そして娘のために突っ走る。突っ走って突っ走って・・・もうちょっとなんとかならないかと思うけど仕方ないね。仏様に誰が悪いか?みたいに問うていましたが、それはお前だろ!自分で自分を撃てよ!と思っていたが最後は撃たれてありがとう、と。そして書きながら気がついたけれどもこの3人はきちんとお話の中で落とし前がつけられているから、その点ではまあ納得できるかあ。苦さも少し和らいできた気がします。(そして更に考えていて気がついたこと。それぞれの父は過去の自分の過ちからそういう行動に走っていた。英奇の父は妻を大事にしなかったことを悔やんで、妻の姪である麗君を甘やかして大事にしすぎてしまった。心雨の父は言わずもがな。父の過ちへの後悔、それを取り返そうと思った行動は更なる過ちを招きそして起こる悲劇。なかなか骨太なドラマです。)

 最後に心雨を演じた周迅さんについて。ずっと苦手な女優さんだと思っていましたが、まともに作品を見たのは初めて。(いや、お針子の映画を見ていたか。)すっかり苦手じゃなくなりました。かなり摩訶不思議な心雨というキャラクターをしっかり説得力のあるものにしていたと思います。
by chatttenoire | 2012-01-27 21:47 | 中華 | Comments(0)